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『地下街の雨』(宮部みゆき/集英社/集英社文庫)

 麻子は同じ職場で働いていた男と婚約をした。しかし挙式二週間前に突如破談になった。麻子は会社を辞め、ウエイトレスとして再び勤めはじめた。その店に「あの女」がやって来た…。この表題作「地下街の雨」はじめ「決して見えない」「ムクロバラ」「さよなら、キリハラさん」など七つの短篇。どの作品も都会の片隅で夢を信じて生きる人たちを描く、愛と幻想のストーリー。

 「地下街の雨」
 喫茶店で時間をつぶしていると、一人の綺麗な女性と出会う。彼女は主人公の友達に出会ってちょっかいを出し、それがきっかけでその人と付き合うようになった。しかし、それは実は今彼とその女性との芝居だった。彼女は昔演劇をしていたスナックのママで、今彼から主人公のことが好きだと相談を受け、この一芝居を打ったのだった。

「決して見えない」
 雨の日、終電が終わってタクシーに乗ろうとずっと待っているが、なかなかタクシーはこない。一緒に並んで待っている男性と話していると、赤い糸と黒い糸の話になった。運命の相手と言っても、家族でも何でもないのに、死に目に会ってしまう。それは、黒い糸で結ばれているから。という話をして気味悪さを残して去っていく。

「不文律」
 一家心中の話を色んな人のインタビュー形式で語られていくが、何を言いたいのか私には分からない。

「混線」
 電話線の中には誰かが住んでいて、イタズラ電話ばかりしていると電話に吸い込まれるよっていう話。

「勝ち逃げ」
 一族の中でも堅物で通っていた伯母。しかし、彼女だって恋をしていたし、しかもそれは不倫だと分かった。頭が良かったが結婚とは縁がなかったから、色々と言われていたが、死んでしまえば勝ち逃げだ。

「ムクロバラ」
 警察での職場結婚のために、家族からも「デカ長」と呼ばれている。様々なストレスから、自分は犯罪者である「ムクロバラ」ではないかと疑うようになっていた。が、いつもはデカ長と呼ぶ娘に「おとうさん」と呼ばれて、自分は伊崎という名前だと自覚し、もう大丈夫だと思う話。

「さよならキリハラさん」
 急に音が聞こえなくなる。ハイテク耳栓をとある企業が開発した。その研究員だったキリハラは、本当ならば無作為に選んだ家族に協力を仰ぎ、耳栓の能力を試すはずだった。でもキリハラは「自分は宇宙人で、人間は音を出しすぎだから少し少なくする」みたいな理由をでっちあげる。そのさ中で、家族からは疎んじられていた祖母との関係を見つめ直し、家族が絆を取り戻す話。
by apple_and_c | 2013-04-29 09:21 | 小説 処分
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本が増えすぎたので、読み返して厳選します。


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