『地下街の雨』(宮部みゆき/集英社/集英社文庫)
「地下街の雨」
喫茶店で時間をつぶしていると、一人の綺麗な女性と出会う。彼女は主人公の友達に出会ってちょっかいを出し、それがきっかけでその人と付き合うようになった。しかし、それは実は今彼とその女性との芝居だった。彼女は昔演劇をしていたスナックのママで、今彼から主人公のことが好きだと相談を受け、この一芝居を打ったのだった。
「決して見えない」
雨の日、終電が終わってタクシーに乗ろうとずっと待っているが、なかなかタクシーはこない。一緒に並んで待っている男性と話していると、赤い糸と黒い糸の話になった。運命の相手と言っても、家族でも何でもないのに、死に目に会ってしまう。それは、黒い糸で結ばれているから。という話をして気味悪さを残して去っていく。
「不文律」
一家心中の話を色んな人のインタビュー形式で語られていくが、何を言いたいのか私には分からない。
「混線」
電話線の中には誰かが住んでいて、イタズラ電話ばかりしていると電話に吸い込まれるよっていう話。
「勝ち逃げ」
一族の中でも堅物で通っていた伯母。しかし、彼女だって恋をしていたし、しかもそれは不倫だと分かった。頭が良かったが結婚とは縁がなかったから、色々と言われていたが、死んでしまえば勝ち逃げだ。
「ムクロバラ」
警察での職場結婚のために、家族からも「デカ長」と呼ばれている。様々なストレスから、自分は犯罪者である「ムクロバラ」ではないかと疑うようになっていた。が、いつもはデカ長と呼ぶ娘に「おとうさん」と呼ばれて、自分は伊崎という名前だと自覚し、もう大丈夫だと思う話。
「さよならキリハラさん」
急に音が聞こえなくなる。ハイテク耳栓をとある企業が開発した。その研究員だったキリハラは、本当ならば無作為に選んだ家族に協力を仰ぎ、耳栓の能力を試すはずだった。でもキリハラは「自分は宇宙人で、人間は音を出しすぎだから少し少なくする」みたいな理由をでっちあげる。そのさ中で、家族からは疎んじられていた祖母との関係を見つめ直し、家族が絆を取り戻す話。


